矯正治療期間をできるだけ短くするための矯正装置やさまざまな処置のご案内です。

矯正治療にかかる期間は通常2～3年です。しかし、人生のイベントが控えていて、できればそのタイミングに合わせたいと思っていませんか？

歯並びやお口まわりの組織の状態によっては、治療期間の短縮が可能かもしれません。当院は矯正治療においてさまざまな実績と経験があり、矯正治療用アンカースクリューを用いた方法や、コルチコトミーという歯を支える顎の骨にヒビを入れる方法などを用いることも可能です。「治療期間をできるだけ早めたい」「結婚式までに間に合わせたい」などのご要望があるときには、遠慮なくご相談ください。治療計画の段階で費用を設定しますので、どちらの方法でも追加料金はいただきません。

通常の矯正治療では、安定している奥歯を固定源にして、ほかの歯を理想の位置に動かします。矯正治療では弱い力を持続的にかけると歯が動く性質を利用しますが、強い力をかけられない理由は、過度の力をかけて動かすと、歯の根にダメージを与えてしまうことがあるだけでなく、固定源としている歯も動いてしまう可能性も加わるからです。

歯を早く動かすために使用するのが歯科矯正用アンカースクリューです。歯ぐきの骨にチタン製の小さな医療用のネジを埋め込み、そこを固定源に歯を動かします。ネジの直径は1.4mmで、長さ6mm程度なので、「ミニインプラント」や「マイクロインプラント」ともよばれます。

固定源が歯以外にあるので、今まで難しかった歯の動きを可能にして、理想的な歯並びの実現がこれまでより短い時間でできるのです。これはマウスピースを使った矯正治療システムでも、ブラケットとワイヤーを使った矯正治療システムでも併用できます。とくにこれまではヘッドギアなどの目立つ装置が必要だった大きな歯並びの乱れの治療が、お口の中のアンカースクリューでできるようになったのは大きなメリットです。

歯がきれいに並ぶスペースを確保するために、歯と歯の間を少しだけ削る方法です。削る量は0.5mm以内ですので、歯へのダメージが少なく、削るというよりも「やすりで削る」イメージです。必要なスペースを確保できるように、歯の状態に合わせて複数の歯を削ります。歯を削ることで、摩擦が減り、歯の初期移動が速くすることができます。

また、歯ぐきが下がり、歯と歯の間と歯ぐきに三角形のスペースができてしまっている状態をブラックトライアングルといいます。ストリッピングは、歯の横幅の厚い部分を削るので、ブラックトライアングルの改善にも有効です。

歯を支えるまわりの組織の顎の骨にヒビのような切れ目を入れる外科手術がコルチコトミー（歯槽骨皮質骨切除術）です。強固な皮質骨にヒビが入っているので、歯の移動の際に無理な力をかけないですみ、歯根へのダメージのリスクを減らせます。外科手術の際に歯肉をはがさなければなりませんが、骨折した骨が回復すると以前よりも強固になるという性質も利用するので、歯の後戻りのリスク軽減につながります。矯正治療期間の短縮につながるかどうかは、はっきりしていませんが、保定期間は傾向的に短めです。

ブラケットとワイヤーとの間には摩擦（フリクション）が生じます。そのフリクションを小さくした装置をセルフライゲーションブラケットといい、従来のブラケットにくらべて痛みが小さめなのが特徴です。歯並びによっては、フリクションがあるほうがよい部分とそうでない部分があるので使い分けて治療計画を立てます。スピードブラケットは、セルフライゲーションブラケットの1種です。「インタラクティブ」「パッシブ」という2種類の方式を組み合わせて使えます。丸みがあり違和感が少なく痛みを感じにくい形状です。また治療期間の短縮につながるのもメリットです。

矯正治療をおこなうときに光の照射によって治療効果を高める目的で使用する装置です。毎日約10分程度ご自宅で照射していただきます。近赤外線が歯の周辺組織に作用して、治療期間の短縮が期待できます。外科的処置ではないで比較的手軽にご利用いただけるうえ、痛みの軽減にもつながる装置です。

PBMヒーリング社の「PBMオルソ※薬機法対象外」は、赤外線ランプに似た850nmの近赤外線を照射して、歯を支えるまわりの組織の細胞に刺激を与え、骨や軟組織の再生を促します。

※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります
※こちらのみ装置代として別料金100,000円（税込110,000円）がかかります

どんな治療にもメリット・デメリットそしてリスクがあります。その他の治療と同じように、治療期間短縮が目的の治療をおこなう前にも丁寧にご説明し、ご理解いただきます。わからないことは何でもご質問ください。そしてご同意をいただいてから治療に進みます

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療も、コルチコトミー（歯槽骨皮質骨切除術）もどちらも外科処置です。一般的な矯正治療以外にも口腔外科の知識と経験が必要で、さらに専用の設備や技術も求められます。そのため、治療は豊富な実績がある歯科医院で受けると安心です。

治療期間を短縮するといっても、お口の状態は一人ひとり異なり、歯の移動などの治療効果にも個人差があります。また治療期間の短縮度合いもすべての患者様に共通するわけではありません。

矯正治療はそのシステムにより矯正装置の装着の仕方が異なります。どの装置でも正しく装着しないと計画通りの治療効果は得られません。医師の指示通りに、そして治療計画に沿っておこなわないと、治療期間が長くなってしまう可能性が高まります。

マウスピースを使った矯正治療システムの場合、毎日決められた時間装着し、決められた日数で次のマウスピースに交換してください。ブラケットとワイヤーを使う矯正治療で、顎間ゴムを装着する場合は、なるべく長い時間装着し、毎日取り替えてください。出張や外泊が多い方はとくに顎間ゴムが切れてしまったときの予備をいつも持参することをおすすめします。

矯正治療中はさまざまな理由で汚れがたまりやすいので虫歯のリスクが高まります。ブラケットとワイヤーを使った矯正システムの場合は、普段よりも丁寧なブラッシングが大切です。ワイヤー部分を中心に、ワイヤーの上の部分、ワイヤーの下の部分などパーツに分けて鏡を見ながらしっかり汚れを落としましょう。

マウスピースを使った矯正システムの場合は、食事時にマウスピースを外しますが、そのあとは、しっかりブラッシングしましょう。お口の中がきれいになってからマウスピースを装着してください。

虫歯やその他の病気にかかりその治療が必要になると、矯正治療を中断しなければならないことがあります。すると治療期間も長くなってしまうので、矯正治療中はとくに丁寧なブラッシングを心がけましょう。歯ぐきが腫れる歯肉炎も歯ゴムかけやワイヤー交換の妨げになりますので、気をつけましょう。